コロンビア戦のカミカゼシステム以降、サッカーにたいしてかなり消沈しているんですが、そんな時に名古屋対川崎のような好ゲームに巡り会うのはおもしろいモノですね。
選考姿勢と書きましたが、今回は二十三人枠(GK三枠)で代表監督が如何なる選考基準と方針を設け、それがどのようにチームに反映されるか考えてみたいと思います。
・二十三人全員に頭を使うことはあり得ない
どのようなシステムを取るチームだろうと、ベストメンバーを組むときに二十三人枠全てで悩むような代表チームはありません。少なくとも(ケガなどの事情を除いて)十五〜十八人は殆ど迷わずに埋まるはずです。というか、そうでないと監督を疑ってかかった方が良いでしょう。
代表チームとはその国の上澄みを掬うチーム。各ポジションで分けるにしても能力順にしても、最高評価を受けるプレイヤーから順に選べばまず三分の二は動きません。また、動かすべきではないとも思います。
十五〜十八人と書いたのには理由があります。この三人の違いが選考基準を何とするかで大きいのです。
というのは、
<ベースメンバーが十五人の場合・自分たちのスタイルを貫く>
スタメン+控えGK+交代枠三人
<ベースメンバーが十八人の場合・相手に合わせて流動的に変化>
スタメン+控えGK+FW・MF・DFの控え各二人(中央とサイド、攻撃的か守備的)
このようにチームのベースとなるメンバー構成の性格が異なるからです。仮に十五人のほうを<能動型選考>。十八人のほうを<受動型選考>とでもしておきますか。
ちなみに、前回W杯だと能動型はドイツ・ブラジル・フランス。受動型は日本・イタリア。意外に思うでしょうか?
ついでにいうと、ブラジルは前者の選考をしたのに後者の戦い方をしようとして負けたといえます。
今のオシム監督はどちらでしょう?
・残り枠の使い方
大雑把な話ですが、放出があるクラブチームと違い、代表チームではベース以外は全部オプションとして考えることが出来ます。
一番使う機会の多いオプションは<疲労>と<不調>の時でしょうね。
能動型の場合、残りの枠はほぼ全てベースメンバーの代わりになるといえます。06フランスなんかが良い例で、あの時のフランスは出場停止を除けばほぼ全ての試合を十四人で試合してました。
受動型の場合は今流行のポリバレントタイプの選手(世界はスペシャリスト傾向ですが)が重要で、イタリアはデルピエロやデロッシなど複数ポジションを同レベルでこなせる選手を多数そろえ、システムの流動性を維持しつつ破綻させないように出来ました。
今期のチェルシーは流動型から能動型へチェンジして苦労してましたね。
・残りの枠に監督の個性と趣味が出る
オプションを構築する残りの枠には監督の選考が大きく絡んできます。06W杯のドイツとフランスを例に挙げます。
<ドイツ>
ゼンデンなど諸事情で召集しなかった選手以外もかなり監督色の強い召集になりました。特にスーパーサブとして活躍したオドンコールは、監督が考えた最良のオプションでしょう。
しかし、チーム全体を考えるとベースは良かったのですが控えとは正直実力差があり、オドンコール以外の控え選手がプラスをもたらしにくかった面がありました。
<フランス>
ピレスやジュリーなど主力級を呼ばなかったフランス。極端な話ですが、結果としてそれが采配の一貫性を生んだといえます。世界トップクラスの実力国が何をするかはっきりする状況になれば、なかなか崩れるものではありません。まあ、その手段は褒められたモノだとは思いませんけど。
しかし、オプションが疲労と不調以外への対応が無く、受動型のイタリアと当たったのは痛かったですね。決勝では封殺されてしまいした。
イタリアに敗れたこの二チームは、それぞれ選考における欠点が敗因に直結しました。プラティニ氏が「監督の大会」といったのはそういったこともあるかもしれません。
・残り枠の理想的な使い方は?
理想的なオプション(戦術変更策)は?と言い換えられます。
理想を言えば大きな変化を付ける策と小さな変化を付ける策をそれぞれ攻守においてもつことが理想でしょうね。システム変更含めて多岐にわたりすぎるのでこれに付いては書きません。
・やはり二十三人枠を最大限運用するのが理想
06W杯で枠を全部活かしているなと思ったチームはイタリアとポルトガル。チーム全員に色々な状況での行動を求めていると思いました。特にイタリア。フランスとの差は二十三人のチームと十四人のチームだったことだと思います。
能動型・受動型と分けましたが、実際のところ両極端に分ければの話で、大抵のチームはその中庸(にならざるを得ない)でしょう。またどちらが優れているというわけでもないです。そのあたりは誤解無きように。ただ、06杯は後者のチームが優勝し、前者のチームは規律のチームだったため、戦術の大会だった印象はありますね。ほぼ前評判通りだったのもそのせいでしょう。
菊地……なにやってんだよ。




