名古屋のホームマッチは2−2のドロー。九十分間集中した歯ごたえのある試合でした。対照的なアプローチの好チーム同士、非常におもしろかったです。
いくつか理由があるのですが、まず両チームの基本技術のレベルがJの平均以上であること。この点が土台となって、両チームの「個性」がぶつかり合う展開を生み出していました。
・オランダスタイルの名古屋
名古屋のフェルホーセン監督はオランダ人監督なのですが、非常にらしいチームに仕上げています。組織的なチームに見えますが、その実はまず「個の特徴」ありきのシステム。基本的にそれほどタイプに違いのない選手交代を行うのも「個の特徴」を組み合わせてチームを作っているからです。
結果組織的になっていますが、個が輝くほどチームが良くなる循環ですね。選手一人一人がのびのびと役割に集中しているように見えます。
・組織の上に個人を積み重ねる川崎
個の特徴を生かす故に組織的な名古屋に比べて、川崎は組織から個人を活かすアプローチ。ジュニーニョ・憲剛・森などはなかなか変わりがいないタレントで、彼らの長所を引き出すために組織を作っているといっても良いです。関塚監督の手腕が光りますね。ブラジルスタイルに近いですが、より日本的です。
組織的にゲームコントロールしたうえで、活躍の踏み台を作る魅力的なチームです。攻撃も多彩。
この両チームのアプローチの違いが試合展開の中でも垣間見えます。
・得点シーンはそれぞれ「パターン」と「独力突破」から
名古屋の得点は試合開始直後のパターン戦術とコーナーからのリバウンドボール。
川崎はサイドを森とジュニーニョがブッ千切ってのゴール。他にも個人の力を見せつけるプレーが幾つもありました。
これは両チームの特徴がそのまま現れた対照的なゴールシーンだったと思います。
・オランダスタイルとブラジルスタイルの違い
攻防好ゲームが続きましたが、やや川崎ペースに。これはオランダスタイルの弱点であるゲームコントロールの面で川崎に分があったため。中村憲剛というタレントの力と言い換えても良いかもしれません。
しかし、名古屋も集中したまま頑張り抜き結果引き分けとなりました。
・DFラインで繰り広げられたDF対FWバトル
両チームともFWが積極的にプレッシングをかけるのですが、両チームともDFがそのプレッシングに対して簡単に引かず、かいくぐるようにボールを展開します。何度かカットされる危ない場面もありましたが、非常に見応えがありました。
DFがステップでかわすシーンなどは気迫が伝わるシーンでしたね。
・名古屋はDF、川崎は中盤に補強ポイントあり
名古屋はDFの局地戦での弱さが少し気になりました。まあ負傷者続出でしかたないかもしれませんが、このままだと弱さとして形になるかも。
川崎はレギュラー格と比較して中盤の中央(トップ下とボランチ)にもう一枚欲しいですね。控え選手に特徴ある選手がいると戦術の幅がさらに広がります。フランシスマールが完全にフィットすれば黒津でいろいろいじくれるでしょう。
両チームとも目指すところがはっきりしていて、そのためのアプローチをいくつかもっているチームでした。あとは全体のチームレベルなんでしょう。
個人が生きる試合はやっぱりおもしろいです。




