ローマがご存じの通り、マンU相手にホームで2対1の勝利。マンUはセリエ勢には相性悪いと思ってましたが、予想通りでした。
今回は試合評と話題になっているローマの「ゼロトップ」について。
・ローマが斬新なのは「戦術」ではなく「戦略」
<ローマ・4−3−3>
マンチーニ トッティ ヴィルヘルムソン
ペロッタ タッディ
デロッシ
パヌッチ キヴ メクセス カセッティ
ドーニ
ポイントになるのはセントラルのイタリアトリオ、トッティ・ペロッタ・タッディ。流動的にポジションチェンジを行うのはもちろんですが、この三人とデロッシが重要なビルドアップを担います。
マンU相手にも安定してPA前まで運べていたのには少しびっくりでしたね。前半開始からしばらくはマンUは捕まえることができませんでした。
流動的とは言われますが、実際マンチーニとヴィルヘルムソンはほぼサイドで固定。上下に動いてフォローしますが、基本的にプレーエリアはある程度決められているようです。
・ローマの戦略は簡単に言えば物量作戦
試合を通じてローマはセンターFWへのロングボールを使いませんでした。これは選手の特徴を考えると不思議ではないですが、イタリアのチームとしては珍しいと思います。
ローマはビルドアップに力をかけ、相手ゴール前にボールを運びシュートで終わる意識が高かった。中盤で安易なパスカットを喰らうシーンや、ボールを奪われるシーンはほぼ無く、前にしっかりボールを運べるチームはやはり強いです。
マンUのルーニーやクリロナが孤軍奮闘というか一人芝居状態だったのと比較すると、ローマのチーム意識の高さははっきりしていました。
ビルドアップの巧みさで持ち上がれば、相手ゴール前では常に五人が攻撃に絡み、セカンドボールにもデロッシやDF陣が恐ろしい速さで寄せに入る。完成度は高かったです。
・「ゼロトップ」は個を生かすための組織戦術
ローマの選手は皆非常に足下が安定していました。速いショートパスも全て足下に落としていましたし、パスミスそのものが非常に少ない。これだけ技術があるならヘタにロングボールを放り込むよりも安定してチャンスが作れるでしょう。これが下地。
マンチーニ・ヴィルヘルムソンの両翼はあまり動き回らせるよりも、プレーエリアで活きるタイプです。なのでその通り動き回らせず、ビルドアップが終わった段階で流動攻撃が始まります。縦の流動はイタリアトリオが行い、横の流動はウイングが行うため、DF陣は捕まえにくかった。(とはいえ、ブロック形成でのマンUの対処は悪くなかったと思いますが)
両CBのメクセス・キヴーも足下が上手く、キヴーは持ち上がりメクセスは積極的にアタックに行く関係も良かったです。カセッティは時たま変則3バックのような形になり、パヌッチは上がると必ずゴール前までボールを運んでいました。
ローマの王子トッティは、オールラウンダーっぷりを発揮するにふさわしい役割を担っています。途中交代で入ったヴチニッチがすぐに機能したのはトッティの影響が大きいですね。
<ヴチニッチ投入後のローマ>
マンチーニ ヴチニッチ
トッティ
ダッティ ペロッタ
デロッシ
こんな形に前線が変化しました。イタリアトリオは一列に近いです。
前目にFWらしいFWのヴチニッチを入れ、「ゼロトップ」からマンチーニとのやや変則2トップに変更。流動性は失うことなく、交代選手の特徴を活かしきりました。
・痛恨のスコールズ退場。
蟹挟みとトッティの突破で退場になったスコールズですが、彼を欠くのはホームで勝利必須のマンUにとってはかなり痛いです。マンUはゲームメーカーがおらず、折り合いを付けるスコールズが欠場するとルーニーとクリロナが孤立しがちでチームバランスが非常に悪くなる。その上、中盤で全体に変化を付けられる選手がいません。
セルティック対ミランをみても分かるとおり、セリエのチームは個人を抑える戦術は得意中の得意。この試合でもクリロナは終始マークを受けていました。無理矢理突破してチャンスを作ってしまうのはさすがですが、チーム全体の連動感などはあまり感じなかったですね。
・個の力はマンUが上。力押しでなんとかするしかないのか?
ということになるんでしょうね、マンUは。二戦目までに組織が出来上がるとは思わないし、組織に組み込むとエースの良さが消えかねないおそれもありますから。
一番の整備ポイントは中盤のダブルボランチで、ギャリックと誰かになるのでしょうけれど、うーん……。
ローマもペロッタ欠場は痛いですが、途中で出たローゼ?がなかなかでしたから、マンUほどではないと思います。
ルーニーとクリロナは、ローマをかみ砕けるでしょうか?
明日はアルビ今年初観戦!


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